日経電子版で「ゲノム編集技術、米研究所の特許認める 知財高裁判決」(2020/2/25付け)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56015410V20C20A2MM8000/
を見つけました。記事によると「今回の訴訟で問題になったのは、遺伝子を簡便に切り貼りできる画期的手法とされる『クリスパー・キャス9』という技術。」とのことです。
新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA)を利用する方式が、主流で検討されているようにも報道されており、CRISPR-Cas9のようなゲノム編集技術が使われるのかなと思って、注目してみました。
門外漢なので、まずは「『クリスパー・キャス9』って何?」というところから。インターネットで調べてみると、目的の配列を正確に切り取って貼り付けることができる、ゲノム編集にとって画期的な技術のようです。
では、そのような重要な技術の特許を米国の研究所に抑えられたら、日本のゲノム編集事業にはダメージなのでしょうか?そのあたりも、日経電子版では取材されています。
「米企業のゲノム編集技術認める判決 専門家の見方」(日経電子版, 2020/2/25)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56036210V20C20A2000000/?n_cid=DSREA001
技術的、商業的な影響については、専門家にお任せするとして、私としてはどんな特許が争われたのかを調べてみました。訴訟の対象となった特許は以下の2件でした。
一方(特願2016-117740)は特許性を否定され、他方(特願2016-128599)は特許性が認められました。(記事では判決文の探し方、入手の仕方も紹介しています。)
さらに、2つの特許出願に、どのような関連特許(特許ファミリー)があるのかを調べてみました。
その結果、上のように既に登録されている特許4件、審査中と思われるもの2件があることがわかりました。
事業への影響を評価される方は、今回の裁判で特許性が争われた2件以外にも、それらの特許ファミリー全体で、検討されますようお勧めいたします。
詳しくは、pdf版(1.4MB)をダウンロードしてお読みください。